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- 2016.09.10 Saturday
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クリーニングが苦手だ。
クリーニング屋さんには申し訳ないが、家で全部手洗いできたらどんなにかと思う。
突然何を言い出すかとお思いでしょうが、まあちょっといかにして私がクリーニングが苦手になったかを聞いて欲しい。
きっかけは、中二の頃。
姉の一張羅のステンカラーコートを借りた挙句に汚してしまったときのことである。
これはさすがに自分で洗濯は出来まいと思い、近所の駄菓子屋さん(クリーニングの取次ぎもしていた)にクリーニングに出した。
すると、なんと酷いことか、袖についていたベルトの裏側に、油性マジック(きっとマッキー)でくっきりと、受付番号が書かれていたのだ。現代では考えられない蛮行じゃないか。
姉、激怒。私はおずおずと駄菓子屋さんに文句を言いに行くが「あら、裏側で見えないんだからいいじゃない」と駄菓子屋。ガキ相手だから、上から出れば何とかなると思ったのか。
姉、さらに激怒。「あのババア!」
姉が中一の頃、週刊少女コミックを買うと全員貰えるはずのオヨヨの下敷きが貰えず、「これが貰えるはずなんですけど」と粘ったら、数日後に全く別の雑誌の下敷き(多分少女フレンドの)を渡されて以来の激怒っぷりであった。
もうこっちが「オヨヨ…」と言いたいくらいの出来事だった。
そんな私も高校にすすんだ。
父子家庭だったので、中学までは祖母が制服のクリーニング等出してくれていたが、私が高校に入った頃祖母が倒れ、家事一切は我々姉妹の担当になった。
日頃の洗濯や料理はなんとか子供なりにこなしていたが、さすがに制服のクリーニングまでは手が回らず、夏休みに制服をクリーニングに出したまま、すっかり忘れてしまった。
思い出したのは、なんと登校日前日の夜。「制服がねーよ!」
新学期のことは覚えていたが、夏休み真っ只中にある登校日のことはぽっかりと抜け落ちていたのだ。
もうクリーニング屋はとっくに閉まっている。しょうがない、明日の朝イチで受け取り、その場で着替えて登校しようと腹をくくったものの、なんと開店時間は朝9時であった。
大慌てで制服を受け取り着替え学校に向かった私が見たものは、登校日のHRを終え、帰宅の途につくクラスメイト達の姿であった。
「終わった…」と、ハイキングウォーキング鈴木Q太郎の持ちネタ(卑弥呼様ー!)ばりにつぶやき、立ち尽くす私。いっそクリーニングになんか出さなきゃよかった、なんでうちの制服は「丸洗いできるカンコー学生服じゃないんだ」と、自分のうっかりを棚に上げて思うのだった。
ちなみにその次の年の登校日は、定期が切れている上(夏休みだしね)、所持金数十円、家族はもう皆仕事に出かけ、家には全く現金が置いていないというていたらく。バスにも電車にも乗れず、ただ家で呆然としたまま(制服は着てた)時間だけが過ぎていき、また出席しそこねたのだった。
私もいまや大人になり、こんなポカミスはしなくなったが、いまだにクリーニングが苦手なのである。