前回の鶏がら骨格標本から約8ヶ月。
記録的な猛暑の中、ついに念願の「豚の頭骨標本作り」にチャレンジしましたよ!
えー、今回、人によってはかなり「グロイ」と思われる画像を含みます。
といっても、スープを取る用に売られている頭骨なので、皮をはぐとかそういったシーンはございませんが、それでもやっぱりかなりアレです。
可愛い豆本を見たくてやってきた方などは「こんなもん見たくてやってきたんじゃねぇぇぇ!」と思われるかもしれません。
それでもちょいと見てみたい、と言う方は、続きをどうぞ。
まずは豚の頭骨を手に入れるところから始めましょう。
私が利用したのは、お肉屋さんのネット通販。
「豚」「頭骨」などで検索すると、意外にあっさりひっかかります。
このとき「豚」「頭」で検索しちゃうと、「黒豚 丸ごと一頭のお肉!」なんてのまでひっかかってきちゃうので、「骨」は重要なキーワードです。
検索してもらえればわかりますが、スープ用のこの豚頭骨、意外とお安い。1つ500円もしないで買えちゃうのです。むしろ送料の方が高い?
皮もはいであるし、下顎も耳も取ってあるので、そのまま茹ではじめられます。
万が一失敗しても諦めのつくお値段です。
こりゃあやるっきゃないでしょう!
と勢いで注文。
しかし、とどいた頭骨を見て、いささか後悔する私。
だってさー…
「はぁーい、豚の頭骨よ〜」
でかっ!
グロッ!
凍った豚さんが私を見上げるのですよ。
そう、耳や皮は取ってあるとはいえ、目玉はそのまま収まっているのです。
しかも結構まつ毛が長い。
頭骨をどっちに向けても、白濁した目がこっち見てるような気がする…。
豚さんの一番の特徴である「豚っ鼻」も健在です。
裏返せば上あごがバッチリ。
歯もそのまんま。
豚さんの歯って結構黒ずんでるのね。
そりゃ歯磨きとかしないし、しょうがないのか。
とにかく腹をくくって、まずは茹でてお肉を落とそう。
と、ここで大きな問題が勃発。
我が家で一番大きな鍋でも、豚の頭骨が入りきらない!
鍋の直径は24cm。
豚頭骨の鼻先までは30cm弱。
そりゃ入るわけないわな。
でもここまできたら後には引けないぜ!
そして…
…ホームセンターで買ってきましたよ、寸胴鍋!
お値段、豚の頭骨の約10倍!
私、バカじゃねーの!?
ていうか、多分バカだ!!
でも、この寸胴鍋なら、ほら!
豚の頭骨さんもスッポリin!
ぎゃ、水につけたら霜が取れて、目玉がよりくっきりですよ!
知らないで蓋開けたら、ビックリするだろうな…。
何はともあれ、13時45分着火!
驚いたことに14時15分になってようやく沸騰。
寸胴鍋だと沸騰までに30分もかかるのか…。今月のガス代がちょいと心配になる。
この後、コトコトコトコト煮込み(結構美味しそうな香りよ)16時30分。一旦火を止め、頭骨引き上げ。落とせる肉をこそげ落とします。
懸念された目玉ですが、長時間似たせいか目玉と言うより肉の固まりなって、さほどえぐることも無くぶりっと引き出せました。
こんな感じ。
17時15分、ふたたび茹でを開始。
18時45分、火を止め、肉を落とす。
豚っ鼻の方も、ちょいと引っ張ったら…
ぎゃぁぁぁぁあなにこれ、ずるっと出て来たぁぁぁぁあぁ!
軟骨?と一緒にずるりと取れました。
冷静に考えると気持ち悪いんですが、このずるっと取れる感覚はちょっと面白かった。
時間不明、もう一度茹で開始。
23時30分、火を止め、引き上げ。水洗い。
ほれ、大分お肉が落ちたよ!
豚っ鼻と軟骨が取れた鼻の穴は、こんな風に…
なんか薄い骨が複雑な形をしています。
一緒に写っているのは、肉をこそげ落とすのに使った割り箸とピンセット。
23時45分、入れ歯洗浄剤6錠を入れた水につけます。
大分油が浮いとるなぁ。
この後、5回ほど 水洗い→入れ歯洗浄剤風呂にイン→水洗い を繰り返し、日光に当てて干しました。
が、色は白くなったのですが、ゴミ捨て場のようなニオイが取れず…
1ヵ月半ほど干した後、今度は台所用塩素系漂白剤風呂にドボン。そして乾燥。
これがきいたのか、ニオイは(ほとんど)なくなりました。ハイターすげー。
そして出来たのがこちら。
「どもー。白くなって戻ってまいりました!」
手前に転がっているのは、抜けた歯。
茹でてる間と漂白中、結構歯がぬけるんですよ。
そして歯以外のよく分からない物体も、ポロリとどっかから取れてくる。
左が歯、右がよくわからない集団です。
歯のアップ。
とんがった方が根っこ、歯茎に埋もれている方です。
根っこはこんなにとんがってるのか…!
鼻の内部。
鼻の中って思ったより広いんだなぁ。
風邪をひいてやたら鼻水が出るとき、「いったいどこからこんなに沸いてくるのか」と疑問でしたが、これだけ広いなら大量に出ても不思議は無いな、鼻水…。
頭頂部。
骨がスポンジ状になってるのがよく分かる。
こうして軽さと丈夫さを出しているのか。
それから、一つびっくりしたこと。
あんなに黒ずんでた歯が真っ白に!
教訓。
「入れ歯洗浄剤は、本物の歯も白くする」
決して人体では真似しないで下さい。
うっかり真夏に作業を始めてしまい、滝のような汗を流す羽目になった私ですが。
「暑い」ということをのぞけば、茹でるためのお湯はすぐ沸くし、ガス代も冬よりはかからないし(ちなみにこの月のガス代は普段とそう変わりませんでした)、水洗いも辛くないので、それなりにメリットも多かったです。
茹でる時のニオイも、豚肉料理そのものだから、近所迷惑にもならなそう。
乾燥中のニオイは漂白をちゃんとすれば大丈夫!…だと思う。
結構いいかも、真夏の標本作り。
お子さんの夏休みの自由研究にいかが?…と言おうと思ったけど、夏休み明けに豚の頭蓋骨抱えて登校したら、クラスメイトの反応が怖いな。
ところで、出来上がった頭骨標本の活用法なんですけど…さすがに形が特殊なものなので「飾っとけ」くらいしか思いつきません。
と思ったら。
ネガパンたちがやってきましたよ。
ネガパン「頭骨にライドオン!」
ネガパン母「まあ、何だかヤッターマンみたいね、私たち。ホホホ」
…楽しそうなので、しばらくこのままにしておきますか。
しかし肉付きの頭…鍋から覗くうつろな瞳…。
あぁぁ。
でも塩素系でニオイもクリアしたんだね!
綺麗になった歯をぬきさししてパズルのように遊んでみたい!
…と思ったのは私だけだろうか…汗